衣服の構造と身体の動きに呼応するグラフィックデザイン
本プロジェクトでは、衣服の構造や布の運動性との連動を設計することで、衣服とグラフィックデザインの新たな関係性が探究されています。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKEがこれまで培ってきた実験的なものづくりの姿勢と、SOAR NYの鮮やかな色彩とダイナミックな構図が呼応し、このプロジェクトが誕生しました。SOAR NYでは、「モーメンタム(Momentum)」という「勢い」や「今にも動き出しそうな感覚」を意味するキーワードをグラフィックデザインにおいて重視しており、その思想が今回のデザインにも反映されています。
単に衣服にグラフィックを施すのではなく、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEの立体的な服づくりと独自のプリーツ技術「Baked Stretch」の製作プロセスを前提に、身体の動きや視点の変化によって美しさが現れるよう、グラフィックは多数のパターン検証を重ねて緻密に設計されています。これらは固定された美しさではなく、動きの中で現れる「瞬間の造形」として、新しい美の可能性を提示しています。

店舗ごとに異なるビジュアルを展開
衣服のデザインと連動する形で、店舗空間にもグラフィックの世界観が展開されています。ISSEY MIYAKE GINZA / 442、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / AOYAMA、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTOをはじめ、各店舗ではそれぞれ異なるビジュアルが店頭で打ち出されています。マネキンを含むディスプレイも今回の絵柄を再構築して設計されており、衣服、身体、空間が一体となった視覚表現が生み出されています。



グローバルブランドとデザインスタジオの協働が生み出す、新しい表現の可能性
本プロジェクトは、日本発で世界に展開するブランドと、グローバルに活動するデザインスタジオが協働することで、プロダクト開発にとどまらない新たな可能性が広がることを示す取り組みでもあります。今回のデザインは、日本の価値観にとどまらず、世界のマーケットを前提にした美意識から構想されており、ニューヨークをはじめとするグローバルな視点を取り入れることで、従来にはない色彩や構図の大胆さが実現されています。衣服のグラフィックデザインだけでなく、店舗で展開されるビジュアルやディスプレイ、映像などにもグラフィックの発想を広げることで、プロジェクトの世界観が多角的に表現されています。


A-POC ABLE ISSEY MIYAKE デザイナー 宮前義之氏のコメント
宮前義之氏からは、SOAR NY代表の花原正基氏のデザインについて「鮮やかな色使いと動きのあるダイナミックな構図が共存していて、その絶妙なバランスに以前から惹かれていました」とコメントが寄せられています。また、独自のプリーツ技術「Baked Stretch」に花原氏のグラフィックデザインを掛け合わせることで、表現の幅が広がると感じたとのことです。
多くの制約があったものの、密度の濃い対話を重ねた結果、Baked Stretchのパターンの中にグラフィックデザインを組み込むという、花原氏ならではの表現方法にたどり着くことができたと述べています。宮前氏は、自身だけでは生み出せない素晴らしい絵柄が提案されたことで、オリジナル製品の可能性が広がり、外部との協働の醍醐味を改めて実感したプロジェクトであると語っています。

TYPE-XV SOAR NY project 販売アイテム
SOAR NYは、独自のプリーツ技法「Baked Stretch」とグラフィックデザインを精緻に組み合わせ、鮮やかな色彩と遊び心あふれるタイポグラフィによるオリジナルモチーフを創出しました。3種類の異なるグラフィックが、ワンピースとパンツのデザインとして展開されています。


A-POCを象徴する無縫製ニットには、ダイナミックなグラフィックがプリントされています。SOAR NYならではの力強く現代的な柄が際立つTシャツのシリーズです。


SOAR NYについて
SOAR NYは、ニューヨークを拠点に、アメリカ、日本をはじめ、アジアや南米など世界各地のプロジェクトを手がけるデザインスタジオです。NYと東京のメンバーが連携しながら、「美とは何か?」という問いを起点に、グローバルな視点から都市空間やライフスタイルに新たな感性をもたらすグラフィックデザインの可能性を追求しています。
SOAR NY代表の花原正基氏は、資生堂でクリエイティブディレクター/アートディレクターとして14年間、SHISEIDOのCDをNYで3年間務めた後、2022年にSOAR NYを設立しました。ブランディングからパブリックアートまでジャンルを横断しながら、グラフィックデザインの可能性の拡張に挑んでいます。2025年には、ニューヨーク市からの委託により、日本人デザイナーとして初めてブルックリン・DUMBO地区で大規模なパブリックアートを制作しました。ニューヨークADC金賞、THE ONE SHOW金賞、JAGDA新人賞など、主な受賞歴を多数持ち、近年はニューヨークADCやロンドンD&ADなど、国際的なデザインアワードの審査員も務めています。


SOAR NYの公式ホームページと公式インスタグラムはこちらです。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKEについて
A-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、作り手と受け手とのコミュニケーションを広げ、未来を織りなしていくブランドです。1998年に発表されたA-POCは、服づくりのプロセスを変革し、着る人が参加する新しいデザインのあり方を提案してきました。時代を見つめながら進化を遂げてきたA-POCを、宮前義之氏率いるエンジニアリングチームがさらにダイナミックに発展させています。一枚の布の上に繰り出すアイデアは多彩に、着る人との接点は多様に。異分野や異業種との新たな出会いから、さまざまな「ABLE」を生み出しています。

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