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fitu、7月4日「ファッションお直しの日」にリペアの価格と価値に関する声明を発表

「ファッションお直しの日」に合わせた声明発表

オンライン衣服お直しサービス「fitu(フィッツ)」を運営する合同会社YOBOSHIは、2026年7月4日(土)の「ファッションお直しの日」に合わせ、衣服のリペアにかかる価格と、その背景にある技術、消費者・社会・環境にもたらす価値について声明を発表しました。

fituは、このプレスリリースを配信するために33,000円(税込)を投じました。これは、商品やキャンペーンの告知ではなく、リペアに対する考え方を社会へ届けるためです。この発信を通じて、一人でも多くの方が「直すのは、新しく買うより安くて当然」という認識を少し変え、次に服が合わなくなったり壊れたりした際に、「直せないだろうか」と一度考えるきっかけとなることを目指しています。

7月4日は「0704=おなおし」の語呂合わせから制定された「ファッションお直しの日」です。リフォームスタジオ株式会社が一般社団法人日本記念日協会に登録し、衣類や靴、バッグなどを長く大切に使う心を広めることを目的としています。fituも2023年のこの日に幅詰め・リメイクサービスの提供開始を発表しており、3年が経過した今回、リペアの価格と価値について改めて発信することになりました。

「リペアは新品より安い」という認識への問いかけ

「服を直すのであれば、新しく買うより安いはず」という認識は一般的かもしれません。実際にお直し料金を見て、「新品を買った方が安い」と感じる方もいらっしゃるでしょう。fituはこの感覚自体を否定するものではありません。

現在の社会では、衣服の大量生産、グローバルな調達、工程の分業、物流の効率化などにより、完成した服を安価に購入できる環境が整っています。数千円で新しい服が手に入る中で、「服の一部分を直すのであれば、完成品より安いはず」と考えるのは自然なことです。しかし、大量生産で新しい服を作る仕組みと、すでに完成している一着を直す仕組みは、根本的に異なる方法で成り立っています。

大量生産とリペアの根本的な違い

衣服の大量生産は、同じ型紙、素材、仕様の商品を一定数量まとめて作ることに最適化されています。裁断、縫製、検品などの工程を分業し、同じSKUを繰り返し生産することで、一着あたりにかかる時間やコストを抑えています。

一方、リペアで向き合う服は一点ずつ異なります。メーカー、ブランド、製造時期、素材、型紙、縫製仕様、副資材、裏地、加工、着用状態のすべてが一点ごとに違うのです。同じ「パンツの裾上げ」でも、服の種類や裾部分の加工によって、構造も適切な直し方も変わってきます。リペアは、決められた方法で同じ作業を繰り返す仕事ではなく、完成した一着を観察し、その構造を読み解き、その服に適した方法を考える仕事なのです。

リペアに求められる高度な技術と責任

リペアで預かる服は、お客様にとってかけがえのない一着です。すでに販売が終了している服、長年着用し身体になじんだ服、家族から受け継いだ服、思い出が残っている服、ヴィンテージ品や一点物など、購入価格だけでは置き換えられない価値を持つものも少なくありません。生地を一度裁断すれば元には戻せないため、わずかな採寸や裁断の違いが、完成後のシルエットや着心地を左右します。

そのため、リペアの職人には、ミシンを扱う技術だけでなく、服の構造を理解する知識、生地の変化を予測する経験、適切な加工方法を選ぶ判断力、そして失敗できない一着に向き合う高い集中力が求められます。リペア料金には、実際にミシンを動かす時間だけでなく、服の確認、採寸、構造の判断、縫製部分の解体、裁断、再縫製、プレス、仕上げ、検品まで、一点ごとに必要となる工程と責任が含まれているのです。

リペアがもたらす多角的な価値

fituは、「リペアは新品より高くあるべきだ」と主張したり、すべての服を費用をかけて直すべきだと考えているわけではありません。買い替える方が合理的な場合もあるでしょう。しかし、「リペアは新しい服より安くて当然」という認識については、改めて考える必要があると考えています。新しい服を買うことと、今ある服を直すことが同じ程度の価格であったとしても、それは不自然ではありません。さらに、消費者、社会、環境という複数の側面から考えれば、リペアには新品の購入価格だけでは測れない価値があります。

消費者にとっての価値

新しい服を購入しても、身体や好みに完全に合うとは限りません。リペアでは、気に入っている部分を残したまま、自分に合わない部分を調整できます。別の服に置き換えるのではなく、今ある服を現在の身体や着方に合わせられることは、リペアならではの価値です。また、思い入れのある服や、販売が終了している服、長年の着用によって風合いが変化した服は、リペアによってその機能だけでなく、選んだ理由や着てきた時間も残すことができます。

環境にとっての価値

環境省の推計によると、日本で消費される衣服の一着あたりの年間環境負荷は、CO2排出量が約25.5kg、水消費量が約2,300リットルにもなります。すでに完成している服にも多くの資源とエネルギーが投入されており、一部分の問題だけで服全体を手放すことは、それらの資源を十分に使い切らないことにつながります。環境省は、服を1年長く着用することで、日本全体で約5万トンの衣類廃棄量削減につながるとし、お直しやリペアを推奨しています。

リペアにも環境負荷はありますが、直した服が実際に着用され、新しい服への買い替えを遅らせたり、購入する服の数を減らしたりできたときに、その環境価値は明確になります。重要なのは、直したという事実だけでなく、直した服を生活の中で再び着続けることです。

リペア技術を担う人材の現状

服を作り、服を直す技術を持つ人が減少し、高齢化が進んでいる現実があります。経済産業省の資料によると、繊維工業に従事する就業者数は2007年の約67万人から、2023年には約35万人まで減少しています。また、2023年には繊維工業で働く人のうち65歳以上が占める割合は22.9%となり、製造業全体の8.3%を大きく上回っています。これは洋服のお直し職人だけを対象にした統計ではありませんが、リペアの土台となる縫製技術を担う人材を取り巻く状況を示しています。

厚生労働省の事例でも、洋服リフォームなどの縫製技術を持つ人材の不足、高齢化による退職者の増加、後継者が育ちにくい状況が紹介されています。縫製は職人仕事であり、技術を身に付け経験を積むには年数が必要であり、人材育成が追いつかない現状が指摘されています。

地域の縫製工場や小さなお直し店が、高齢化や後継者不足によって事業を継続できなくなるケースが生まれていることは、無視できない現実です。服を直したいと思ったときに相談できる人がいる環境は、これからも当然に残り続けるとは限りません。

適正な対価が技術の未来を創る

リペア料金は、今ある一着を直すためだけの費用ではありません。服の構造を見極める知識、素材に合わせて縫製する技術、多種多様な服に対応してきた経験、失敗できない一点物に向き合う集中力に対して支払われる対価です。同時に、その仕事を職業として続けられる環境をつくり、次の世代へ技術を引き継ぐための対価でもあります。

価格の安さだけが求められ続ければ、職人が十分な収入を得ることは難しくなります。仕事として成立しなければ、若い世代が新たに技術を学び、長い時間をかけて経験を積むことも難しくなるでしょう。利用する人が減れば、地域のお直し店や縫製工場は仕事を続けられなくなり、そこで受け継がれてきた技術も失われてしまう可能性があります。一度失われた技術は、必要になったときにすぐ取り戻すことはできません。

服を直すことは、一着の着用期間を延ばすだけでなく、服を直せる人と、服を直せる場所をこれからも社会に残す選択でもあります。fituは、リペアを利用すること自体が、職人の仕事をつくり、縫製技術を次の世代へつなぐことになると考えています。

fituが目指す社会と呼びかけ

fituは、新しい服を買うことを否定するものではありません。新しいデザインや素材に出会うことは、ファッションの大切な楽しみです。一方で、新しく買うという選択肢しか存在しない社会ではなく、今ある服を直すという選択肢が、同じように並ぶ社会であってほしいと願っています。

新しい服を買う価格と、今ある服を直す価格が同じだったとしても、リペアの価値が低いことにはなりません。消費者にとっては、気に入っている一着を自分に合わせて着続けられる。環境にとっては、すでに服へ投入された素材や資源をより長く活用できる可能性がある。社会にとっては、服を作り、直す職人の仕事と技術を残すことにつながる。そして衣服との関係においては、その服に刻まれた時間や記憶を残すことができるのです。

価格だけでなく、それによって何が残るかまで考えたとき、fituはリペアの方が大きな価値を持つ場面が数多くあると考えています。この発信を通じて、一人でも多くの方が、クローゼットの中の服を思い出し、「直せばもう一度着るかもしれない」と考える。リペア料金を見たときに、その背景にある工程や技術を一度だけ考える。そして服を直す仕事が、職人の技術を未来へ残すことにもつながると知る。そのような変化が生まれることをfituは願っています。

2026年7月4日の「ファッションお直しの日」。クローゼットの中にある、「直せばもう一度着たい服」を一着だけ思い出してみてください。すぐに修理へ出す必要はありません。まずは、その服を手放す以外の方法がないかを考える。直せる可能性がないかを調べる。それだけでも、服とリペアの関係は少しずつ変わり始めるでしょう。リペアの価値は、新品より安いことではありません。すでにある一着を、これからも着られる一着へ変えることにあります。「安いから直す」のではなく、「価値があるから直す」。買い替え前に、直す。fituはそう呼びかけています。

fituについて

fitu(フィッツ)は、店舗へ足を運ばず、オンラインで衣服のお直しを注文できるサービスです。パンツ、スカート、ワンピース、Tシャツ、シャツ、ジャケット、コートなどの裾上げ、丈詰め、袖丈詰め、ウエスト調整、身幅調整、シルエット調整、リペア、リメイクなどを受け付けています。依頼する衣服は、自宅集荷、自分で発送、購入したECサイトからfituへの直送などの方法で送ることができます。

参考資料・出典

本声明では、リペアや衣服の長期使用による環境・社会的価値、縫製技術の担い手を取り巻く状況を確認するため、以下の公的機関および公式サイトの資料を参考にしています。

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