アパレル製品にデジタルプロダクトパスポート(DPP)を導入する共同PoCが開始
背景
アパレル産業では、衣類の大量生産と大量廃棄が世界的な環境課題となっています。国連環境計画(UNEP)によると、アパレル産業は世界の温室効果ガス排出量の約2~8%を占め、毎年約9,200万トンもの繊維廃棄物が発生していると報告されています。このような状況から、製品を生産・販売するだけでなく、購入後も長く使い続けられる仕組み作りが求められています。
また、消費者の価値観は「多く所有すること」から「納得して長く使うこと」へと変化しており、アパレルブランドには修理や再利用、再販を含めた継続的な体験価値の提供が期待されています。これにより、循環型ビジネスを支える製品情報の一元管理と、サービスをつなぐ情報基盤の重要性が高まっています。
さらに、欧州連合(EU)ではエコデザイン規則のもと、繊維・アパレル分野におけるデジタルプロダクトパスポート(DPP)の導入に向けた検討が進んでおり、製品の持続可能性や修理可能性などの情報をサプライチェーン全体で共有する対応が求められています。日本でもサーキュラーエコノミーに関する政策整備が進む中、今回のPoCではDPPを活用した循環型サービスの実装と、将来の規制対応を見据えたデータ基盤のあり方を検証します。
共同PoCの概要
この共同PoCでは、QRコードを用いて製品ごとの基本情報、製造・修理履歴、環境指標(LCA)などのライフサイクル情報を一元管理し、ユーザー、メーカー、リペア事業者などが共通で参照できるデジタル基盤の有用性を検証します。

あわせて、サプライチェーンのトレーサビリティ向上に資する情報設計のあり方、製品を長く使用するためのケア・修理情報の提供に対するユーザーの受容性、循環の取り組みを共有することによる製品・ブランドへの愛着形成、DPP導入がブランド価値向上に与える効果が確認されます。
実施期間:2026年5月~11月(予定)
参加ブランドおよび事業者(予定):
株式会社ゴールドウイン(製品ブランド:Goldwin)
株式会社ミヤモリ(修理サービス:ReForme)
4c Studios(製品)
CYKLUS(修理サービス)
このPoCで使用されるDPPでは、主に以下の情報が表示され、製品のトレーサビリティが可視化されます。製品の背景やストーリーへの共感を育むことで、長く大切に着用してもらうための新たな価値提供を目指します。
基本情報:製品仕様や素材構成など
環境指標:LCAに基づくCO2排出量、水使用量、環境認証等
ストーリー:製品の開発背景やブランドの想い
ケア・リペア情報:適切なお手入れ方法や修理案内
リペア履歴:過去の修理内容の蓄積・可視化
各種窓口:リペア、リユース、リサイクルへの導線

本PoCで使用するICT基盤には、NTTドコモビジネスの再生資源循環プラットフォーム「CEMPF(R)」が採用されています。CEMPF(R)は、資源循環に必要なデータを一元管理し、トレーサビリティの確保や認証対応などの機能を備えた次世代ICT基盤です。このPoCでは、アパレル分野におけるDPP活用の第一歩として、製品情報の提示や関係者間の情報共有を通じたユーザー体験と運用適合性が検証されます。
両社の役割
株式会社CYKLUS
アパレル領域におけるDPP運用設計・ユーザー体験(UX)の設計
対象ブランド/製品カテゴリの選定とPoC運用統括
リペア事業者・小売・ECなどのパートナー連携推進
NTTドコモビジネス株式会社
ICT基盤(CEMPF(R)が持つDPP機能)の提供、PoCシステムへの適用
データ連携(EC/修理管理/会員基盤/CSツール/在庫 等)の検証
KPI設計・効果測定、セキュリティ/プライバシー/データガバナンスの指針整備
今後の展開
両社は本PoCの成果を踏まえ、アパレル業界向けDPPのベストプラクティスを検討し、CEMPF(R)のトレーサビリティデータと連携した商用実装を進める予定です。
あわせて、アパレル企業や循環型ビジネス事業者との共同実証を拡大し、DPPの活用を通じてサステナビリティ推進と循環型ビジネスへの転換に貢献します。
将来的には、パートナーとの共創により対象分野を拡大し、将来のエコデザイン規則などを見据えたデータ基盤の整備とともに、製品の長期利用を支えるスケーラブルなビジネスモデルの構築を目指すとのことです。
関連情報
株式会社CYKLUS
「モノを大切に使い続けるカルチャーを育む」をミッションに、サーキュラーエコノミーの社会実装を目指すソーシャルベンチャーです。DPPをはじめとするデジタル技術とビジネスデザインを組み合わせ、ブランド横断で修理・再利用・再販・リサイクルを可能にする次世代循環型ビジネスモデルの構築に取り組んでいます。
詳細はこちら: https://cyklus.jp/NTTドコモビジネス株式会社
法人向け総合ICT事業を担い、企業と地域が持続的に成長できる自律・分散・協調型社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として活動しています。「つなごう。驚きを。幸せを。」をスローガンに、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現を目指しています。
詳細はこちら: https://www.ntt.com/PoC参加ブランドおよび事業者
株式会社ゴールドウイン: https://www.goldwin-global.com/jp/
株式会社ミヤモリ(ReForme): https://www.miyamori-co.com/
4c Studios: https://4c-studios.com/


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